レベル5
もはや門外不出レベル。
着てるだけで振り向かれ、顰蹙を買うTシャツたち
「ナパーム・デス」ナチファックTシャツ
グラインドコアの始祖として知られるイギリスのナパーム・デスは、オリジナルメンバーはただ一人も残っていないものの、1981年の結成から現在までコンスタントに活動を続けている。
このTシャツは1992年に発表されたシングル『Nazi Punks fuck Off』をモチーフとしたもの。
この曲はカバーで、元歌はアメリカのパンクバンド、デッド・ケネディーズが1981年に発表したアルバム『In God We Trust, Inc.』に収録されていた。
デッド・ケネディーズが歌った“ナチパンクス”とは、ライブで暴れる暴力的なファンのことを指していたが、ナパーム・デスはより政治的に解釈したため、ヒトラーやハーケン・クロイツ(鉤十字)がコラージュされたデザインになっている。
それらを激しく糾弾する内容とはいえ、アドルフ・ヒトラーやハーケン・クロイツ、それに「NAZI」とか「FUCK OFF」という文言が踊るTシャツなんて、今の世の中では危なっかしくて着られやしない。
「GAUZE」の死体Tシャツ
そして最後は、モザイクをかけなければお見せすることもできない、黒焦げの焼死体写真がプリントされたガーゼのTシャツだ。
これを大っぴらに着られない理由は、書くまでもないでしょう。
あるフリマサイトを見てみたら、まったく同じTシャツを16,500円で出品している人がいた。
説明を見ると「未着ですが年月が経っているので未使用に近い状態での出品になります。(中略)家族に言われての出品なので思い出もあり、本当は売りたくないので高めに設定します。」とのこと。
わかる、わかるよ!
てな感じです。
ちょっと熱が入っちゃって、長く書きすぎました。
今回はわけあってなかなか着られないバンドTシャツを紹介したが、我が家には堂々と着ることのできるバンドTシャツが、この10倍ほどある。
決して広い家ではないのに。
友達から「お前んちはドラえもんのポケットか!?」と突っ込まれても仕方がない。
物を捨てられない自分の性格、それが一番の難儀やなあ……。
写真・文/佐藤誠二朗