お芝居の世界は決して勝ち負けじゃない
――小学生時代はどんな子どもでしたか?
小学生の頃は、テレビの世界にいる自分と、友だちといるときの自分が違いました。誤解を招くかもしれないけど、友だちといるときはスイッチがオフで、「しっかりしなきゃ」みたいな気持ちもお仕事のときほどなかったので、学校にいるときは素の自分だったと思います。
でも、そういう私に対して「望結ちゃん、なんか想像と違う」っていうふうに感じずに、私に合わせて話しかけてくれる友だちがまわりにいてくれました。
いまはそういうオンオフがなくて、仕事の現場でカメラが回っていても、プライベートでも、常にずっと同じ感じです。
――いまは「しっかりしなきゃ」という感覚が自然に染みついている?
役者さんって、“自分じゃない人”になれるわけじゃないですか。それが難しかったり楽しかったりするから、いまも役者を続けているんです。幼い頃からオーディションをたくさん受けて、フィギュアスケートもそうですけど、勝ち負けの世界に常にいて。
でも、(オーディションに)さんざん落ちてきた私から言えるのは、やっぱりその人に“合う役”と“合わない役”があるし、「この役だったら私にしかできない」とか、「この役だったら〇〇さんのほうがしっくりくる」という部分を見極めるためのオーディションだと思います。
お芝居の世界は決して勝ち負けじゃないということに気づいて。それからは、素の自分で現場に入れるようなりました。