恐怖の予測「週刊誌は4年以内に全滅」
2021年の「出版物販売額の実態」(PDF版・日販)によれば、「雑誌(紙)」の販売額は、2006年比で58・6%減と壊滅的な減少を示している。また、2015年に5960億円あった販売額は毎年500億円程度の売上減で、最新データの2020年では3582億円となっている。このまま500億円ずつ減少していけば、「2027年には雑誌の売上はゼロ」になる計算だ。
こうした状況を予測し、2017年に経済誌『ダイヤモンド』を発行するダイヤモンド社内で議論された内容は、驚くべきものであった。「最悪のシナリオでは、2027年に〈紙の週刊誌〉はなくなる」。実際、ダイヤモンドの社内では「最悪シナリオよりも速いペースで〈週刊誌〉の売上が減っている」ことが確認されているという。
特に心配なのが、コンビニに売上を頼っている雑誌である。書店数8789店舗(2020年度)に対し、コンビニは5万6948店(2021年1月現在)もある。コンビニに搬入されるのは限られた雑誌だが、大手経済誌の一つは「実売率が低く、コンビニの売上で利益が出るような水準にはない」としながらも、部数維持・ブランド維持・販売体制維持のためにコンビニ搬入をダラダラと続けているという。
ある大手流通関係者は「コロナ禍にあっては、外国人客が激減し、『巣ごもり消費』が起きたことで雑誌コーナーは生きながらえた部分があった。しかし、年10%程度の売上減が今後も続くことを前提にして、雑誌コーナーはコンビニ各社が始める新サービスに置き換わっていくだろう。地方では『本屋不足』が起きており、本の棚を拡充して雑誌コーナーは維持されるが、全体で見れば限定的だ。最近では、Amazonの『コンビニ受け取り』とメルカリの『荷受け』を始めたことがスペースの減少につながった。コロナが収束すれば何が起きるかわからない」と指摘する。