当選無効の申し立て、運動員買収
玉石混交の新人に馬場代表がクギ
「決して調子に乗らないように」
5月14、15日、日本維新の会の馬場伸幸代表は、大阪市内で開いた研修会で、新人の首長・議員約350人に口を酸っぱくして何度も繰り返した。
全国紙の政治部記者が語る。
「維新はこれまでにも所属議員や首長が、政治とカネ、パワハラ、セクハラ、問題発言、暴力などさまざまな不祥事を起こしてきた苦い経験があります。今回、300人以上の玉石混交の新人が誕生したことで、永田町からは『またやらかす』と冷ややかな目線が注がれていますが、執行部は、少しでも『やらかし』を減らしたい考えです」
今回の統一地方選でも、埼玉県議選で当選した女性が「住所要件を満たしていない」として当選無効を求める異議申し立てが出されたり、愛知県議選に出馬した候補者が運動員に報酬を支払ったとして逮捕されたりと、さっそく問題が相次いでいる。
維新の議員が「玉石混交」と言われる背景には、他党とは異なる候補者集めの事情もありそうだ。
「同じ野党でも、立憲は秘書経験者や地方議員経験者が多い。自民党はそもそも現職が多く、新人として立候補するのは簡単ではない。
その点、維新は選挙ごとに勢力拡大を図り、ネット広告を積極的に出して公募をかけているので候補者になりやすい。先の統一地方選では、定数が数十人の都市部の選挙区で、数少ない維新の候補者として出れば、それだけで上位当選できるところも多かったのです」(前出の全国紙政治部記者)
新人向けの研修会では、大阪府の吉村洋文知事や、音喜多駿政調会長も登壇し、議員としての心構えを説いた。
驚愕! 梅村みずほのハンガーストライキ発言
だが、新人が見習うべき維新の「先輩」たちの「お騒がせ」ぶりが目立つ。研修会の2日後、文春オンラインが、「大阪維新の会」の府議団代表が30代の女性議員にストーカー行為をした疑惑を報道。既婚者にもかかわらず、女性議員の自宅を深夜に訪れ、インターホンを押したり、しつこくLINEや電話をしたなどと報じた。
永田町では、入管施設で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんをめぐって梅村みずほ参院議員が「ハンガーストライキによる体調不良によって亡くなったのかもしれない」と発言。
維新は18日、質疑で党の指示を守らなかったとして、梅村氏を参院法務委員会の委員から更迭すると発表した。
各地での「やらかし」はこれまでにも様々あった。