体験をリレーする「お譲りアカウント」

――ところでInstagramで情報を探していると、結婚式を終えた卒花嫁が、次に式を挙げるプレ花嫁に自分が結婚式で使ったアイテムを譲るアカウントの運営をしているのを見かけます。「#幸せバトン」というハッシュタグのついた投稿もたくさんありますが、こうしたSNSでの交流は最近始まったものなのですか?

Instagramの前はブログなど、以前から花嫁同士の交流は行われていたんです。例えば、有名挙式場で式を挙げた方々が“〇〇嫁会” (〇〇の中には式場名が入る)というコミュニティを作って情報交換をするとか。

その場が数年前からInstagramになり、よりリアルタイムで事前準備、当日のことが発信できるようになりました。それを見たプレ花嫁が、自分の式の参考にし、演出やドレスなどを考えるという構図ができたんです。

なぜ彼女たちは“下着”を譲ってもらうのか? 令和の花嫁たちのリアル_1

――式準備や式自体のレポはわかるのですが、「お譲り」にまで発展するのはどうしてなのでしょう?

おそらく、情報発信側の「自分が準備したものを誰かに譲ることで、その思い出や努力が消えずにリレーされてほしい」という思いと、フォロワー側の「一生に一度の失敗できない式だから、おしゃれな人の確実なものを譲ってもらいたい」という思いがお譲りアカウントという文化に発展したのではないか思います。

お譲りアカウントでは、主にグローブやドレス用下着、そのほかフォトプロップスやテーブルナンバーなどのやりとりが多いですね。