新しい学童は「地獄から天国に来たみたい」
偶然にもBさんが住む地域では下の子たちが通う保育園の社福法人が新たな試みとして学童保育の運営をはじめていた。Bさんは藁をも掴む気持ちで、今年4月、長女を転園させたという。
「娘が言うには、『地獄から天国に来たみたい』な違いだと。前の学童の支援員はプールの監視員みたいだったのですが、今の学童では、支援員と子どもたちが一緒にゲームをして遊んでいます。学童が家庭と一緒に子育てをしている感じがあります。
児童の数は20人、できてまだ日が浅いこともあって、学童が保護者と相談しながらルールを作っているので、意見をよく聞いてくれます。学校から少し距離がありますが、支援員さんがしっかりコミュニケーションをとってくれている。LINEグループで学童とのやりとりをしているんですが、活動の写真を送ってくれたり、『いま、外遊びをしています』とか、情報共有をたくさんしてくれるので、一日、何をやったのかがよくわかります。子どもはもちろん親としても今の方が安心できます。
保育園は入園前に見学ができ、園それぞれに個性があることに気づきましたが、学童の違いは入るまで保護者には見えにくい。もっと情報と選択肢があるべきだと思います」(Bさん)
Bさんは偶然、新しい学童の存在を知り、壁を乗り越えることができた。
だが、それでも学童は保育園に比べ選択肢が少なく、その格差は保護者には見えにくい状態である。
政府肝煎りの「こども家庭庁」は、4月1日から本格的に始動した。今後予算案が作成され、これまで叫ばれてきた保育園の待遇の改善が期待されている。
だが、放課後児童クラブ、学童保育の現状ははたして改善されるのだろうか。引き続き注視していきたい。
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取材・文/ 大川えみる
集英社オンライン編集部ニュース班