自分の体で起きていることは、
本人が決めたことが全部大正解

――学校という舞台で、「生理」や「妊娠」について扱っている本作、心情描写がとてもリアルでしたが、誰かモデルがいたのでしょうか?

私が中学のとき保健室登校してて。そのとき普通に喋るけど特別仲良しってわけではないクラスの別のグループの女の子が、保健室の先生に誰にも言わない約束で生理が遅れてるって相談したら、親に「娘さん妊娠してるみたいですよ」って電話されてしまったことがあって。

結局その子は妊娠してなかったんですけど、親とかなり揉めて大変だったみたいで、「あの先生に本当のこととか大事なこと言っちゃだめだよ」って、私に教えてくれたんです。
その子のやり方でただのクラスメイトの私の心を守ってくれたことを、女の子同士が主人公のまんがを描くときにときどき思い出します。

――作中、妊娠しているかもしれない女の子が、「(私が)産むって言ったら(どうする)?」と主人公に尋ねる場面があります。主人公の答えがとても印象的でしたが、このシーンに込めた想いはありますか?

私自身が大切な人から妊娠の報告を受けたときに、びっくりしてまず最初におめでとうって言えなかったことがあって。「自分のびっくりはいったん置いといて1番におめでとうって言いなよ、自分」と思ったんです。ずっとそのことを反省しているので、そういう気持ちがまんがにも出たのかもしれません。

【漫画あり】「生理が重くなかったら…」「生理が来ないと相談したら妊娠していると言いふらされて…」そんな女の子たちが“自分の体の手綱をしっかり握って安心する”話を描きたかった_2
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――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は学生時代に「私の生理なのに?」と思って、先生が言うことを全部無視して一生怒られてました。生理と妊娠は違うことだけど、両方とも自分の体の中でしか起こらないことなのに、自分以外の関係ない人の声がうるさいわりに助けになりにくく、意味を見出しづらいところが共通してるなと思っていました。

その人の体のことはその人本人が決めたことが全部大正解で、それ以外なしっていうことと、中絶は悪いことじゃないって伝わるように描こうと思って、そこをブレないようにしたので、そういったところが伝わると嬉しいです。