最初に思い描いていたことが全部やれた
——『君に届け』の番外編『運命の人』が昨年7月に完結しました。本編開始から16年目での番外編完結となりましたが、あらためて『君に届け』を振り返って、いかがですか?
プライベートでも一番忙しい時期…人の生き死にに直面する流れの中で、描いていたこともあって…本当にありがたいなという気持ちです。
最初に思い描いていたことが全部やれたのもありがたかったですし、それも長く連載させていただける場があったからできたことですし。あと爽子という主人公に対してのありがたさも生まれました。爽子のおかげで描けたのかな、と。
——爽子のおかげ、ですか。
爽子が作品を作っていってくれたと思います。描き始めたときはそこまでキャラクターを掴めていなかったんですが、描いていくごとに「こういう部分があるんだ」とわかってきて。
「人付き合いがあまり上手にできない子」と思って描き始めたんですけど、実は自分では描いたことのないぐらい完璧な「スーパーヒロイン」だったんです。割となんでもできるんですよね。運動神経も悪いわけじゃないし、頭もいいし。よくできる子過ぎて愛嬌がないように見えるかもしれない、と心配になったくらいです(笑)。
——言われてみると、たしかにスーパーヒロインですね。
結果的に、ということですよね。自分でも最初からそう捉えていたら、描こうと思わなかったかもしれないです。