怖いけど面白い 予防医学#1 はこちら
怖いけど面白い 予防医学#2 はこちら
怖いけど面白い 予防医学#4 はこちら

抗生物質を飲み続けたらどうなるのか?

薬の投与は人間の体内に多大な影響をおよぼすことがある。たとえば抗生物質だ。
風邪の診療においては、患者サイドでは抗生物質を希望する人が非常に多い。この気持ちは、了解可能なものではある。「悪化している体調を一刻も早く治したい」、そして「いつも近くのクリニックで風邪のときは抗生物質が処方されていて、それで治りが早かった(気がする)」、「今回も抗生物質を飲んで早く治したい」

こういった心情になるのは理解できる。たしかに、昔はこういった「風邪に抗生物質」といった治療がスタンダードだった時代があった。しかし、現代では、風邪の原因の8割程度は“ウイルス”であるとされており、風邪の治療において抗生物質の出番は少ない。

というのも、抗生物質は“細菌”を退治する薬であり(医師の間では「抗菌薬」と呼ぶことのほうが多い)、“細菌”と“ウイルス”はまったく違う生物だからだ。

だが、それでも「1~ 2割が細菌の場合もあるのだったら、いったん抗生物質を飲んでおけばよいではないか」このような意見もあるだろう。しかし、現代の(真っ当な)医者は、風邪に抗生物質を出すことを嫌がる。

それはなぜか。
理由は抗生物質を漫然と飲み続けると、体内に大きな変化をおよぼすだけでなく、生態系にまで多大なる不利益を与える可能性があるからだ。

では抗生物質がこのまま漫然と処方され続けるとどうなるのか? この話はぜひ知っておいていただきたいと思う。

何でもかんでも抗生物質を出す医者は「ヤブ医者」の可能性大!? 抗生物質を飲み続けるとどうなる?_1
すべての画像を見る