コロナ禍で封印された、梅ちゃんの“豆飛ばし”

――近年はコンプライアンスも厳しくなってきているので、さすがに過激路線から変わってきましたか?

 コンプライアンスというより、俺が裸を売り物にすることに飽きてきたの(笑)。今までいろんな裸芸をやってきたから。

久本 たしかにいっぱいやってきたからね。年齢を重ねてくると、裸になっていい体と悪い体があるじゃない(笑)。演者側が頑張って張り切っても、お客さんに「そんなみすぼらしい体、見たないわ」「かわいそうやな。おじいちゃん」とか思われたら嫌やん。

 年寄りの裸はきつい。63歳の梅ちゃん(梅垣義明)の裸はもうきついんですよ(笑)。

久本 そう。若い子にやってもらわないと。

――出演者が歳を重ねるにつれて、公演の内容も変わってきたんですね。

 次の公演は新しいアイデアがあるから裸芸をやるつもりですけどね(笑)。

――またやるんですね(笑)。一昨年には全体公演『王と花魁』が上演されました。コロナ禍ですが、飛沫対策など、演目に影響が出ませんでしたか?

 ありました。まずお客さんとのふれあいができなくなりましたから。客席に向かって鼻から豆を飛ばす、梅ちゃんの“豆飛ばし”はやれませんでした。

久本 梅垣は手も足も出なかったので、クソつまんなかったです(笑)。でも、スモークの中から出てきて咳込みながら歌ったり、頑張っていましたけどね。お客さんとのやりとりができなくなって、梅垣は残念に思っているんじゃないですかね。

――コロナで梅垣さんの魅力が半減してしまったんですね。

久本 いや、半減以下だったと思います(笑)。