今後も大看板を背負って立てるかの正念場

キムタクと福山、二人にとって今回が、これからも局が推す大看板ドラマを背負って立てるかの正念場なのではないだろうか。

昨今はテレビ全体で視聴率低下に歯止めがかからない状態。一方で昨年10月期の『silent』(フジテレビ系)や、今年1月期の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)など、低視聴率ながらTVerなどの見逃し配信再生回数で人気を博し、ヒット作となったドラマも出てきている。つまり、もはや視聴率至上主義は終焉しているのだ。

しかし、90年代の高視聴率ドラマが次々と誕生していた時代を引っ張ってきた二人の主演作は、どうしても視聴率そのものの数字に注目が集まってしまう。

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キムタクの連ドラ主演の前作は、昨年4月期の『未来への10カウント』(テレビ朝日系)。こちらの第3話と第4話が世帯平均視聴率9%台で、キムタクドラマ史上、初めて視聴率一桁台に陥落してしまい、ついにキムタク時代の終焉かと騒がれていた。

今のご時世で考えれば充分立派な数字なのだが、視聴率30%台を当たり前のように取っていた彼の全盛期と比較すると、確かに人気に陰りが見えているのは否めない。

福山も前作の『集団左遷!!』は、日曜劇場作品ながら世帯平均視聴率7、8%台を記録してしまう回があった。

また福山の場合、そのもうひとつ前の月9主演作『ラヴソング』(フジテレビ系/2016年)でも、視聴率6%台を記録してしまっていたため、往時の勢いがなくなってきているという雰囲気が漂ってしまっていたのだ。

ちなみに最新映画の興行収入を見てみると、キムタクの『レジェンド&バタフライ』(今年1月公開)も福山の『沈黙のパレード』(昨年9月公開)も、20億円台となっている。

両作とも一般的に考えると大ヒットと言える記録なのだが、『レジェンド&バタフライ』は総制作費が20億円以上と言われているため、興行収入の合格ラインが40億円以上と目されていた。

『沈黙のパレード』の総製作費はもっとリーズナブルだろうが、こちらは『ガリレオ』シリーズの続編のため、うがった見方をすると新たなヒット作を生み出せずにいるジレンマのようなものを感じるのだ。