「注意して盛り下げた審判の方が許せない」
実際にペッパーミルパフォーマンスを「経験済み」という14歳の中学2年生は、興奮気味にこう話した。
「練習試合でランニングホームランを決めたときにやりました。自分もチームのみんなもパフォーマンスしてめちゃくちゃ気持ちよかったです。大活躍中のヌートバー選手に少しでも近づけた気がしますし、憧れでもあるのでできて嬉しかったです。
相手を煽る意味でやるのはよくないと思いますけど、誰もそんな気持ちでやる人なんていないでしょうし、塁に出るのは実際嬉しいことです。チームの一体感も出るからあまり派手なものでないならパフォーマンスもアリだと思います」
ともに17歳の高校2年生ふたりは、大人の思惑をこう一刀両断した。
「連盟は不要なパフォーマンスやジェスチャーって言うけど、チームとして盛り上がったり活気付けるための行為は『不要』なんですかね。それに相手のエラーだからダメだと言うなら、例えばサヨナラエラーで勝って喜ぶことも礼儀に反してるのでしょうか。
自分としてはむしろ、塁に出てパフォーマンスして活気づいてる時に、注意して盛り下げた審判の方が許せないです。場の流れや空気を壊しているかもしれないじゃないですか。注意なんて試合後に言うとか、試合中でも監督やコーチにこっそり伝えたらいいじゃないですか」
確かに、教育的指導なら目立たないようにした方がスマートだし、この審判の注意の方が「パフォーマンス」だったような気もする。
だが、中には少年たちの感性に近い大人の指導者もいる。
青山学院大駅伝部の原晋監督はTwitterで、スポーツ紙の記事を引用し、
「いまだにこんな管理者(審判)いるんだ⁉ 世の中個性を大切にしようと言っているのに、他者を侮辱行為してないパフォーマンスに対して制限するなんて不思議でならない。負けるな高校球児!高校野球は君たちの為にあるのだから!」とつぶやいた。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班