こむら返りの原因は筋肉量の減少や疲労、冷えによることが多い

こむら返りの主な原因は、筋肉量の減少、筋肉疲労、血流が悪い、体の水分不足、冷え、電解質異常が挙げられます。

筋肉量は20代をピークに年齢と共に減少していきます。
当然、ふくらはぎの筋肉も弱くなります。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれていて、心臓に血液を送り戻すポンプ作用がありますが、筋肉量が減少するとポンプ作用も弱くなり、リンパ液や血液の流れが悪くなり、疲労物質が溜まりやすくなります。
また、長時間の立ち仕事やデスクワークによって、ふくらはぎの運動が不足している場合も筋肉内に疲労物質が蓄積します。

そのため、筋肉量が減少した運動不足の高齢者は、こむら返りになりやすい傾向にあると言えるのです。
さらに、就寝時のトイレの回数を気にして、水分を十分摂らないこともこむら返りの原因になります。

若い人でも就寝時にこむら返りになるのは、仰向けの状態で寝ているとちょうど布団の重みが足首にかかっています。
すると足首が伸びた状態になっていて、これはバレリーナがつま先で立っているような体勢になります。
そうなると、ふくらはぎやアキレス腱も伸びすぎているので先ほど説明した腱紡錘のセンサーが反応しすぎて、異常に収縮をしてしまい、けいれんを引き起こしてしまうのです。
もちろん、足の冷えや、慣れない靴で歩き回って筋肉が疲労してしまうこととも関係しています。

さらに気温が高く、汗をかく季節も要注意です。
汗をかくと、水分だけでなくナトリウムの不足にもなります。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質は筋肉と神経の情報伝達に重要な役割を果します。
スポーツしたり、気温が高い日に外で作業したりすると足や全身がつるのはナトリウムが不足しているからです。
熱中症で全身がつるのは、体の電解質異常によるものなのです。
水分だけでなく、経口補水液などで塩分も摂るようにしましょう。

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また、冷え、動脈硬化、水分不足で血流が悪くなると血液は足の先まで届かなくなります。
すると筋肉は酸素やビタミン・ミネラルが不足しがちになり、こういったこともこむら返りの原因と考えられています。