世の中で自分が一番うまい熱波師だと思っていた
――ここ数年のサウナブームで、「アウフグース(熱波)」(サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるロウリュを行い、その蒸気をタオルで扇ぐ行為)や「アウフギーサー(熱波師)」という言葉が世の中に浸透してきましたが、いいださんはその黎明期から活動しています。前職でバンドマンをされていましたが、いつも明るく楽しそうなツイッター(@Aufguss_iida)も印象的です。
これが好きだと思ったらとことん突き詰めるタイプなんです。3年くらい前にアウフギーサーとしての活動を始めましたが、当時はまだ競う相手がまったくいなくて、世の中で自分がいちばんうまい熱波師だとマジで思っていました(笑)。
―― 2019 年の夏にドラマ『サ道』(テレビ東京)が放送され、サウナブームが加速しましたが、当時はなにをされていましたか?
当時は大阪・ミナミのサウナ&カプセルAMZA(アムザ)でアルバイトをしていたんですが、まだアウフグースという概念もまったく浸透していなくて。一緒に働いていたメンバーですら、タオルを振るのが楽しいという感覚の人はいなかったですね。僕が全員にマンガ『サ道』を読ませたりとかしていましたから(笑)。
でも、徐々にアウフグースが好きだというアルバイトの仲間が増えてきたんです。就職を考える時期になっても「まだ扇ぎたい」って言ってくれる子がいたので、「じゃあ扇げる場所を確保しよう」ということで僕がリーダーとなり、熱波師アウフグースチーム「素面」を立ち上げました。
――サウナMCバトルで優勝したいいださんを筆頭に、実力者ぞろいの関西No.1熱波師アウフグースチームですよね。
昨年7月のアウフグース大会「Aufguss Championship Japan2022」にも出場しました。僕がいちばんかと思ったら、同じチームのほかのメンバーが準優勝しました。「あれ? 俺じゃないんかい」ってなりましたけど(笑)。
でも、それでいいんです。温浴施設のアルバイトの子でもめちゃくちゃうまい子もいるんで。そういう人たちを全国に増やしていきたいんですよ。別にうまくなくても、「この子、めっちゃサウナ好きやな~」という子が全国のどこの温浴施設に行ってもたくさんいる、というのが僕の夢ですから。