ちょっと変えた事例「フリクション判子」
「ちょっと変える」発想法で生み出したふたつめのアイデアは、「フリクション判子」です。
私もそうですが、自分の名前をうまく書けないと悩んでいる人は結構多いと思います。
そして、それは自分のせいだと諦めている人も多いのではないでしょうか?
でも、私は諦めませんでした。
ちょっとの工夫で「自分の名前をきれいに書く方法」があるのではないかと、思ったのです。
そこで、名前をうまく書けないという「日常の課題を解決する」というアプローチで、アイデアを考えてみました。
そして生まれたのが「フリクション判子」です。
判子のインクを消せるようにすることで、上からペンでなぞるだけで確実に名前をきれいに書くことができます。
ご祝儀袋などの失敗できない場面で活用いただけるでしょう。
「ちょっと変える」発想では、「どの部分を変えたのか」によって生まれるアイデアもまったく異なってきます。
たとえば鉛筆のアイデアを考える際に、「形を変えたアイデアなのか?」「色を変えたアイデアなのか?」「素材を変えたアイデアなのか?」によって、同じ「鉛筆」という対象でもまったく違うアイデアが生まれます。
つまり、変える部分のバリエーションの幅をもっていると、ひとつの製品に対して複数のアイデアを生み出せるようになるのです。
「見立てる」発想法と「ちょっと変える」発想法で生まれたアイデアを紹介してきました。
見ていただいておわかりのように、どのアイデアも、この2つの発想法でシンプルに考えられたものばかりです。
思考の過程をお見せしてしまうと、意外と単純なことなのです。
みなさんのアイデア発想に役立てていただけるとともに、「アイデアを考えることって、難しいことじゃないんだ」とも思っていただけましたら幸いです。
これを実践していただければ、かならず「ありそうでなかったアイデア」が見つかることでしょう。
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