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客観的な視点を持つことで、アイデアの幅が広がる

——いしかわさんは現在、アイデアクリエイターとして数々のデザインを発表しています。以前からクリエイターになりたかったのですか?

幼少期から手を動かすことが好きで、将来は何かしらのモノを生み出したいと思っていました。学生時代は工業系の大学・大学院に通い、プロダクトデザインを勉強。並行して、デザインコンペにひたすら応募し続けていましたね。あまのじゃくな性格なので「人とは違うことをしたい」と常に思っていました。

コンペにトライし続ける中で学んだのが「いいアイデアには客観的な視線が必要」ということです。

それまでは「自分のやりたいこと・考えること・思うこと」をデザインに反映していましたが、そうではないと気づいてから、コンペでの勝率がグンと上がっていきました。

商品企画のアイデアクリエイターが実践する「誰もがほしがるアイデア」を量産する習慣_1
アイデアクリエイター・いしかわかずや氏
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——「客観的な視点」とはどのようなことでしょうか。

コンペでの話をすれば、主催者の意図すること、考えることまで想像して深掘りすることです。「このコンペでは、なぜこのデザインが採用されたのか」「審査員はどんな点を重視しているのか」そういった背景を分析することが客観的な視点を持つことだと言えます。

どんなデザインもその先には「相手」がいます。相手がどんなことを求めているのかを熟考することに時間をかけてからは、独りよがりのデザインではなくなり、多くの方から共感してもらえるようになりました。

——現在はIT企業のブランディング担当者として勤務しながら、個人でアイデアクリエイターとして活動されているそうですね。企業ではどのような経験を得ていますか?

アイデアを生み出すために客観的な視点が必要だと感じてから、企業勤めも経験したいなと思うようになりました。そして、大学院卒業後は全くの畑違いである、IT企業へ入社したんです。

IT企業へ入社してよかったのは、デザインの世界とは違う環境に触れられたこと。デザインやクリエイティブにとって常識的なことでも、環境が違えばそれが常識ではなくなり、視点の幅がとても広がりました。デザインやクリエイティブの仕事ばかりしていたら、この感覚は得ることができなかったと思います。