第1位:『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(1978年)
最後はやはり、すべての元凶となったカルト作『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(1978年)の紹介で締めくくろう。その作りの安っぽさとインチキ臭さ、そしてスラップスティック・コメディ全開の脚本から、ときに良い意味で〝不朽の駄作〟などとも呼ばれる本作。
その一方で、続編やアニメ、ゲームなどが存在する程度には、今もなお高い支持を受け続けている。
ストーリーは、突如として現れた殺人フルーツ〝キラー・トマト〟が、世界各地で破壊活動を開始。事態を重く見た政府は、極秘開発中だった超人や、特殊技能を持つエージェントを用いるも、さほどの役には立たなかった。そんな中、ある一人の男がキラー・トマトの弱点を発見する──というもの。
「適当に転がしてあるトマトの前で、キャストが悲鳴を上げているだけ」といったパニック演出に代表される、とことんやる気のない内容が特徴。反面、「政府の面々が、会議室の異常な狭さに四苦八苦する」シーンのような、まっとうにギャグが冴えているシーンも存在。
序盤のヘリコプター墜落シーンにまつわるエピソード(アクション演出ではなく、謎の事故で本当に墜落・炎上させてしまった撮影用ヘリコプターに対してカメラを回し、そのまま本編に使っているとのこと)など、天然ボケと計算の両側面から来るみょうちきりんな魅力は感じられる。
この伝説的なおふざけは一見の価値アリだ。
以上が、〝キラー○○〟特集である。この5本のうちのいずれか、あるいはすべてが、あなたを悩殺することを願う。
取材・文/知的風ハット 写真:Everett Collection/アフロ