第3位:『キラー・ジーンズ』(2020年)
衣類代表としては殺人ジーンズが主役のスプラッター・ホラー映画、『キラー・ジーンズ』(2020年)の名が挙げられよう。日本では今のところセル版ソフト販売が行われていないため、レンタルで視聴する必要がある。
とある大手アパレルメーカーの新商品であるジーンズが、突如として大虐殺を開始。店員が次々と惨死していく中、ヒロインの新人は、この殺人ジーンズがこの世に生まれ、店内へと紛れ込むに至った、悲劇的背景を知る──。
『キラーソファ』同様、本作もまたシリアス寄りの一本。それなりにギャグ展開がないわけではないが、大企業の労働搾取や隠ぺい体質などの闇をテーマに据えた物語には、終始どこか暗澹とした雰囲気が漂っている。
一方で、本作の主役〝キラー・ジーンズ〟の殺人演出はとってもユニーク。何も知らず己を穿いた者を、腰からガブリと噛みつくように仕留めたり、着用者の下半身を操って事故死に追い込んだり、その長い脚(?)を駆使して獲物の首をへし折ったりと、やけにバリエーション豊かでエンタメ精神全開。ホラー映画好きにはたまらないだろう。
さりげなくも確かな出来栄えの良作であり、グロテスクな表現が苦手でなければぜひオススメしておきたい。