「コロナの影響」で不登校が増加

通信制の高校に勤める教員は次のように語る。

「たしかに今までは不登校の生徒が、安心して学業をつづけられるためにと通信制高校を志望することが多かったです。毎日は通えないけど、数か月に1度なら大丈夫という子には適していたと思います。

しかし、ここ2、3年は不登校ではない、まったく普通の子が通信制高校を志望することが増えました。君は全日制で大丈夫だろと思うような子が、全日制を受検することなく通信制に来るのです」

県の教育委員会が言うように「多様な学び方を求める生徒が増加したため」といえば聞こえはいい。実際、スポーツに力を入れるためとか、文化活動に勤しむためといった理由で通信制を選ぶ人もいるだろう。

「学校へ行くのは時間のムダ」。なぜ少子化の中で通信制高校の志願者は増え続けているのか? 現場教員が指摘する2つの要因_4
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だが、先の教員によれば、なかなかそうとは言い切れない面もあるらしい。教員は次のようにつづける。

「こうした生徒には2つの傾向があるように思うんです。1つがコロナ禍の影響ですね。コロナ禍によって不登校が増えたのは知られていることですが、それ以上に一般の子供たちの間にも『学校なんて別に行かなくてもいいんだ』という認識が広まりました。

タイパ(タイムパフォーマンス)なんて言葉がありますが、学校へ行くのは時間のムダ。学校は通信制で月に1度だけ行って、余った時間をゲームに費やしていた方がいいと考える子が出てきたのです。少し前には信じられないことでした」

もし本当だとしたら、あまり歓迎すべきことではないかもしれない。