立憲からは疎まれ、党内からも「次の100年はない」

だが、一方の立憲は、共産党との距離のとり方に腐心する。

立憲は2021年、政権交代をした場合は、共産党が「限定的な閣外からの協力」をするという政権の枠組みの合意をした。共産党のめざす「野党連合政権」は受け入れられない、でも候補者をおろしてくれる共産党を無下にはできない、そのはざまでのギリギリの線だった。この直後の衆院選を、立憲関係者はこう振り返る。

「共産党の支持者に表立って応援されると、私たちも共産党と同じだと思われて、逃げる票もあった。黙って候補者を取り下げて、静かにしてくれればよかったのに」

選挙終盤には、選挙協力について自民党が「立憲共産党」と揶揄。候補者調整は裏目に出て、立憲、共産両党ともに議席を減らす結果に終わった。その後、代表に就いた立憲の泉健太氏は、連携を「白紙」に戻すとし、次の衆院選に向けた候補者調整は進んでいない。

立憲幹部は共産党の置かれた状況をこう指摘する。

「ここ数年、共産党は、選挙戦略や政策の立ち位置で無理を続けてきたのに、結果が出なかった。党内にも不満はたまっている。立憲と違い、異論を言えない組織だから、それが表に出てこないだけだったんだろう」

その異論がついに表に出てきた今の共産党の様子を、全国紙政治部記者は語る。

「党幹部は、この問題をあまり取り上げられないよう、必死です。志位氏も「処分は妥当だった」などとこれまでの党の見解を繰り返すばかり。普段、政権を追及するときの姿勢とはあまりに違いすぎます」

ただ、いくら党幹部が問題を矮小化しようとしても、党内からも疑問の声は出始めている。味村耕太郎・藤沢市議は6日、Twitterにこう書き込んだ。

「私は松竹さんの党首公選や政策論に力点はありませんが、より開かれた党にならなければいけないという問題意識は共有します。そういう問題意識すら受け取れないようなら次の100年はありませんよ」


取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班  写真/AFLO