除名処分で統一地方選を控える党にダメージ
そんな中で、委員長の公選実施を訴えたのは、共産党の政策委員会で安保外交部長を務めた経験も持つ、ジャーナリストの松竹伸幸氏だ。先月、現役の共産党員として『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を出版し、話題を集めている。
共産党が除名処分を発表した6日、日本記者クラブで会見した松竹氏は「出版が分派活動として処分されるなら、憲法の言論・表現の自由は死ぬし、こんなことを進める共産党だって滅びかねない」と、党の決定に真っ向から異を唱えた。
一方、同日に国会内で会見した小池晃書記局長は、「異論を述べたから処分した、というわけではまったくない」と強調。「異論があるからではなく、その異論を、ある意味では、突然、外から攻撃するという形でやってきた」と松竹氏を批判した。
松竹氏の行為が「党内に派閥・分派はつくらない」「党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない」「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」という規約に反するものだったという。
「共産党は、松竹氏が党内で公選制実施などの意見を述べていなかったと指摘しています。たしかに、松竹氏のやり方には、疑問を感じるところもありますが、除名によって共産党には『独裁』『異論を認めない』といったイメージが強くつきました。統一地方選でも逆風が吹くでしょう」(全国紙政治部記者)