『レオン』(1994)や1999年からの『スター・ウォーズ』新3部作、『クローサー』(2004)、最近では『マイティ・ソー』(2011~)シリーズにも出演しているけれど、コレ! といった代表作が、『レオン』以降ないのが少し残念なナタリー。
とはいえ、『ブラック・スワン』(2010)では初めてアカデミー主演女優賞を受賞しました。『白鳥の湖』の主演に抜擢され、プレッシャーによって精神が崩壊していくバレリーナを繊細に演じていましたよね。
来日した彼女に実際に会ったときの第一印象は、「細くて小柄!」ということ。ハーバード大学出身らしく、インタビューの受け答えからも頭のよさがヒシヒシと伝わってきました。
2人の子どものママでもあるので、今はまだ子育てに忙しいかもしれませんが、彼女の聡明さを活かした当たり役がもう1作くらい生まれたらいいな、と、映画ファンとしては今後にも大いに期待しています。

ハーバード大卒の超インテリ女優ナタリー・ポートマン 『レオン』以降代表作に恵まれていないが…
字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターや監督の見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。
長場雄が描く戸田奈津子が愛した映画人 vol.26 ナタリー・ポートマン
聡明さを活かした当たり役が生まれて欲しい
『ブラック・スワン』(2010)Black Swan 上映時間:1時間48分/アメリカ
ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)に見出され『白鳥の湖』のプリマに抜擢される。真面目で優等生なニナにとって、気品あふれる白鳥を踊ることは問題がないものの、官能的な黒鳥を演じることに不安を覚え、次第にプレッシャーから幻覚や妄想に悩まされるようになる……。ダーレン・アロノフスキー監督作。アカデミー賞では作品賞含む5部門にノミネートされ、ナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞した。
ナタリー・ポートマン
1981年6月9日生まれ、イスラエル出身。モデルとしてスカウトされ、1994年にオフ・ブロードウェイで舞台デビュー。同年公開の映画デビュー作『レオン』(1994)でマチルダ役を演じ、国際的に評価される。主な出演作は『スター・ウォーズ』新3部作(1999~)、『クローサー』(2004)『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005)『ブーリン家の姉妹』(2008)『ブラック・スワン』(2010)『抱きたいカンケイ』(2011)『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(2016)など。アカデミー主演女優賞を受賞した『ブラック・スワン』で出会った振付家ベンジャミン・ミルピエと2012年に結婚、2児の母に。
語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢
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