「無加月(むかつき)くんのツキだめし!の巻」(ジャンプ・コミックス71巻収録)
今回は、両さんが徹底的な不運の持ち主・無加月(むかつき)巡査のツキ試しのため、宝くじに挑戦させるお話をお届けする。
無加月は、購入した品がことごとく規格変更したり発売が中止されたりする不運な男だ。彼が選んだものの中には、現在の読者諸氏にはなじみのない品が見受けられる。作中でくわしく解説されているものもあるが、いくつか補足しておきたい。
家庭用ビデオデッキ
カセット式の磁気テープにテレビ放送やビデオカメラで撮影した動画を録画する機械。1975年登場のベータマックスと1976年に登場したVHSという、互換性のない2つの規格に基づいた製品が、四半世紀にわたってシェア争いを繰り広げた。だがそれ以前にも、Uマチック、Vコード、VX……と、普及せずに消えていったいくつもの規格があったのだ。無加月が買ったのはVX方式の品。
ビデオディスク
アナログレコード盤と同じ30㎝ほどのサイズのディスクに映像と音声を記録した、再生専用の媒体と再生用の機械。テープメディアをしのぐ高画質・高音質を売りにして、1980年代から1990年代にかけて発売されていた。レーザーディスク(LD)とVHDの2方式があったが、発売後数年でLDが圧勝するが、DVDの普及によってLDも駆逐された。
マイクロカセット
長年録音媒体として活躍し、近年再評価の兆しが見られるコンパクトカセットテープについては、本編中での両さんによる解説をお読みいただきたい。マイクロカセットは日本のオリンパスが開発した規格で、コンパクトカセットよりもさらに小さなサイズの記録媒体。テープを使用していた頃の据え置き型電話の留守電録音や、会話の録音などに使われた。音楽用の携帯プレーヤーも発売されたが、音質の面ではコンパクトカセットに及ばず、普及しなかった。電話や会話の録音にICが使われるようになると、ほぼ消滅した。
それでは次のページから、ツイてない男・無加月の、宝くじにまつわるまさかの騒動をお楽しみください!!