創価学会における「政治と宗教の関係」

長井秀和が語る「創価学会の宗教2世問題」。被害者たちがそれでも宗教から逃れられない理由_3
たかまつなな

ーー宗教と政治の関係についてはどう思われますか? 法律上は宗教団体が特定の政党を支持するのはいいとされていますが。

創価学会などの信者も言ってますけど、宗教団体が政治活動することは、何の問題もないというのが現行の政教一致、政教分離に関する考え方なんですよね。ただ、見落としちゃいけないのは、創価学会員は公明党員でもあるわけで、そのふたつはリーダーも顔ぶれも、情報の伝達方式も同じ部分が非常に多いわけです。

ーー完全に別ではないんですか?

別じゃないです。組織は一応、違います。ただ学会の会合の中では、選挙になったときに(創価学会の)地区部長とか支部長とかが、選挙中は(公明党の)地区部長、支部長として動いているわけですから。私から見れば、宗教団体が政治活動をしているということなんですよ。そういう意味で私は、政教分離に抵触すると見ているんです。

あとは、自分の政策にも入れているんですけど、選挙期間中の宗教団体による選挙活動は禁止にすべきだと思います。政治活動はいいと思うんですけど、選挙というのは完全に特定の方の集票とか投票を促すことになるので。そもそも創価学会に入ったときに、選挙活動をやるなんて言われていないですから。

実質的には投票の強要もある

長井秀和が語る「創価学会の宗教2世問題」。被害者たちがそれでも宗教から逃れられない理由_4

――選挙では投票先とか、どれくらい強要されたりするんですか?

オフィシャルでは強要していないと言いますけれども、実際はしていますね。例えば、学会員だったら、選挙が近くなったら「公明党に入れましょう」と学会員の人たちが家に来たり、電話してきたりします。それで公明党じゃないところに入れるとなったときには、除名とか除籍される人もいらっしゃいますから。

宗教団体とか政治団体とか、旧統一教会もそうなんだけど、ホームページとかで書かれているオフィシャルのことがそのまま履行されていれば何の問題もないんですよ。

でも、裏で掲げているような活動が非常に反社会的だったり、非民主的だったり。また、商法としてもおかしいことをしているから問題になっているわけじゃないですか。そうしたことは創価学会に関しても正直あります。表向きの話と現場での話は圧倒的に違う。

――投票のお願いをするだけだったら違法性はないはずですが、そうではないと。

同調圧力もあるし、学会のコミュニティの中で、(公明党ではない)他の政党に投票したって言ったら、コミュニティにいられなくなりますよ。急に「あの人は女ばっかり作っていてね、お金を借りていてね」って周りに言いふらされる。面白いことに、急に悪者にされてしまうんですよ。これ本当に間違いないですから。