反社会的勢力の関与で盛り上がる“ネット右翼”
「本島南部の南城市の出身で、これまでに恐喝未遂などでの逮捕歴があるようです。地元組織の組員ということで大々的に報じられていますが、昨年の騒動があった時にはまだ組には入っていなかった。いわゆる『やなわらばー(沖縄方言で悪ガキ)』。大型や中型の改造バイクに乗った連中の後ろを原付で走る『ちびカメ』として、暴走行為に参加することもあったようです」
現場となった沖縄署は、「ライカム」の俗称で知られる交差点のすぐ近くに立地する。
ライカム(=RyCom)は米軍統治時代に琉球米軍司令部(Ryukyu Command headquarters)があったことから、その頭文字を取って名付けられた。
男が住む南城市から本島東海岸を南北に貫く国道を北上し1時間ほどバイクを走らせれば、現場となった「ライカム」そばの沖縄署にたどり着くことができる。
「男にとって沖縄市の現場周辺は日頃の暴走行為でなじみのある場所だったのでしょう。何度も警察の厄介になっているうちに、彼らへの敵がい心を強くしていったとみられます。そんな中であの少年の事案が起きた。騒動にまぎれて日頃の鬱憤を晴らそうという気持ちもあったのではないでしょうか」(先の県警関係者)
県警は男の逮捕を受け、北中城村の旭琉会本部と男が所属する那覇市の組事務所にも家宅捜索に入っている。襲撃騒動をめぐっては、発端となった警官と少年との接触トラブルで、警官が警棒を持ち出したことによって少年が失明する事態に陥ったこともあり、県警の対応には批判的な声も上がっていた。
その一方で、騒動にかこつけてリベラルな主張をする人を敵視し、排外主義的な言説を繰り返す「ネット右翼」の巣窟と化している大手ポータルサイトのコメント欄には、失明した少年への中傷に留まらず、沖縄の若者を揶揄したり、沖縄への偏見に満ちたコメントがあふれる事態にもなっていた。
新たに反社会的勢力の関与が明らかになったことで、早速コメント欄には、《沖縄県は法治国家を構成する一地方自治体の体をなしていない》といった地域差別的なコメントや《誰か指示を出した黒幕がいるのでは》と陰謀論めいた主張が書き込まれ、再炎上の気配が漂っている。