「再び風俗に戻ろうかと思ったけど…」
とにもかくにも、風俗時代に動じない心を身につけた青田さんには、実は夢があるという。
「実は手術前には乳房の再建手術をして再び風俗に戻ろうかとも思っていました。そんな時に、知り合いの居酒屋の店長さんから“あと数年したら店を畳む。やめた後は店を300万円で譲るよ”って言われて…これだ!って思ったんです。再建手術なんかにお金をかけるよりもお店を300万円で譲り受け、いつかお店を持ちたいと」
その店はかつての勤務先、川崎の堀之内のソープ街にある居酒屋だという。
「私がソープで働いていた時に仕事終わりに必ず寄るお店だったし、場所柄、風俗嬢のお客さんが多い店なんです。私も女の子たちの“今日は暇だったよー”とか“めっちゃ忙しくて〜”なんて愚痴を聞いたり話し相手になれたらなって。
帰る頃には“明日も頑張ろう”って思える心の糧になるような店にしたい。それまでいろんな準備に追われますが…開店の目標は3年後です」
風俗をやめた後、現役風俗嬢の支援側の道を選ぶ女性は少なくはない。青田さんもまたそのひとり。
「風俗は究極のサービス業と言われています。そこで働く子たちが明日もまたその究極のサービスができるような元気を、少しでも与えられる店ができたら。マッサージ店で得た指圧の技術で女の子の首肩もスッキリさせてあげたいですね」
青田さんのサードキャリアの夢が叶うよう、願うばかりだ。
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取材・文・撮影/河合桃子