防衛費の「中身」を知っていますか?
――防衛費増額も話題です。岸田政権は2023年度から5年間の防衛費を43兆円に増額する方針で、その財源として増税も検討されています。
ウクライナ危機を見て、国防の重要性を感じた国民は多いでしょう。だから、一定の防衛費を確保しようという議論も理解できなくはありません。
だからこそ、大切なのがその43兆円の使い道です。現に今も増額や増税の話題ばかりで「そのお金が何に使われるのか」は見えてこないじゃないですか。
――増額するにしても説明が足りないと。
そうです。これまでも、何のためか分からない防衛費が山のようにありましたよね。沖縄で事故を繰り返すオスプレイを何機も買ったり、途中で配備停止になるようなイージス・アショアに100億円以上使ったり……。
もちろん防衛費は国家機密も関わるので、すべてを明らかにはできないでしょう。それでも、公開できる情報も多くあるはずです。
「自衛隊の宿舎を新しくする」「シェルターを建設する」などきちんと説明をしてくれれば、国民も納得するでしょう。だから「まずは明細を出して」と。
この例に限らず、近ごろは政府の強硬な姿勢が目につきます。最近ではマイナンバーカードの件も、国民に押しつけるように取得させようとしていますよね。
――政府は紙の健康保険証を廃止して、2024年秋を目処にマイナンバーカードと一体化する方針を明らかにしました。これには「実質的な取得義務化ではないか」という声が上がっています。
マイナンバーカードの取得は任意が前提です。もし、国民全員に行き渡らせたいのであれば、堂々と義務化の法律を作ればいいじゃないですか。それをせずに、マイナポイントなんていうエサで国民を釣るなんて、税金の無駄遣いに他なりません。
あげく、それでも取得率が6割程度だから、今度は「マイナンバーカードの交付率を自治体の地方交付税に反映させる」と言い出しています。これは半ば自治体への脅しです。
そもそも、マイナンバーカードが本当に便利だったら、国民は進んで取得しますよ!取得が思うように進まないのは、単に使い勝手が悪いのが原因ではないでしょうか。
――デジタル庁を中心に「将来的には利便性の高いツールになる」とPRしていますが……。
でも、現実にはそうなっていないじゃないですか。実際、今でも約半数の病院で、マイナ保険証が使えないそうです。もしマイナンバーカードを持たせたいのであれば、まずは使いやすい環境を作ってくださいと。そうでないと政府の言っていることは信用できませんよ。