理念からブレないことを重要視
50周年を迎えた昨年は、ユニクロとエコバッグを制作し、発売直後から売り切れた店が続出。また、『セイコーマート FANBOOK』(宝島社)が発売され、SNSを中心に話題を集めた。
どちらも先方から声をかけられ、実現したことだという。今後コラボレーションの予定はあるかと問うと「そういうのは出会いだと思っているので」と意外な答えが返ってきた。
「お客様に注目してもらうためにコラボする、とはあまり考えないんです。我々の考えに反するわけではないですが、コラボが理念とぴったり合致するかと聞かれると決してそうではない。もちろんあってもいいとは思いますが、それが通常になると我々の考えからはズレていってしまうんです」
近年よく目にする有名店監修の商品などとは一線を画す。話題づくりのためのコラボレーションを自ら仕掛けることは、確かに独自性とは違う文脈の話である。
「あれもこれもやるのではなく、ベースとなる考え方からブレないように。我々自身で研究を重ね、失敗しながら商品をつくり出していくことが大事なんです」
地域と真摯に向き合い、企業のアイデンティティーを突き詰めた結果の積み重ねが、密度の高いファンを生み続けている。
後編では、出来立ての弁当や惣菜で人気の「ホットシェフ」の歴史をひも解いていく。
取材・文/高山かおり
写真提供/セコマ