<SIGMAGAZINE>

独特な五・七・五、東京とソウルの交換日記、コロナ禍の美大生の創造…「TOKYO ART BOOK FAIR」で見つけた名作たち_10
「Translation」がテーマの『SIGMAGAZINE』#3(¥2,000)

コロナ禍の空白に「なんかおもしろイイもの」

『SIGMAGAZINE』の「SIG」とは、「something interesting good」(何か面白くて、いい)の頭文字を取ったもので、「Σ(sigma)」は2つ以上の総和を表す記号。「私たちの“Something interesting good”な発見を組み合わせて、あなたの視点を90°くらい傾ける」というステートメントがユニークだ。

本誌は、当時美術大学の学生だった7人で始まったリトルプレスプロジェクト。「コロナ禍で大学に行けなくなって生まれた空白の時間でものづくりをしたい」と新嶋晃基さんが発起人となり始まったそうだ。仕掛けのあるホームページも面白い。

現在は、新嶋さんと河島倫子さんのふたりが主体となり、日常のモチーフや現象をキーワードに、平面造形や写真、文章、印刷、ウェブを用いて制作を続ける。

独特な五・七・五、東京とソウルの交換日記、コロナ禍の美大生の創造…「TOKYO ART BOOK FAIR」で見つけた名作たち_11
作り手のひとり、デザイナーの河島倫子さん

「Translation」がテーマのVol.3では、テキストでできた絵がフォントの変換によって表情を変えるよう、また縦横幅を引き伸ばすことで正しい比率になるグラフィックに目からウロコが落ちる。実験をしながら、予想外の着地点への到達を自ら楽しむという柔軟さがいい。

独特な五・七・五、東京とソウルの交換日記、コロナ禍の美大生の創造…「TOKYO ART BOOK FAIR」で見つけた名作たち_12
ペーパーバッグサイズの200ページ

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