DAY.6(6日目) ワインとブドウの名産地・甲州市勝沼から南アルプス市へ

山梨県甲州市大和町にある“道の駅甲斐大和”駐車場に停めたエブリイの車内で朝を迎えた僕は、手早く身支度を整え、車で10分ほどのところにあるワインとブドウの名産地・勝沼町を目指した。
朝から快晴だった。
思えば天候に恵まれなかった今回の旅では、朝から気持ちよく晴れたのは最終日であるこの日が初めてだった。

勝沼町に入ると、隣の笛吹市から延びる“フルーツライン”と名付けられた道を走り、高台へとのぼっていった。
フルーツラインはその名の通り、両サイドに果実園が並ぶ、風光明媚でスィートテイストな道。
ブドウの収穫はひと通り終了しているようで、イメージしていたタワワに実るブドウの房はほとんど見られなかったが、晴れ渡る空の下に広がるブドウ畑と、その向こうに輝く市街地の眺めはなかなか良かった。

車中泊の旅を盛り上げてくれたフィルムカメラと、『ゆるキャン△』の存在感_2
わずかに残っていたブドウの房
車中泊の旅を盛り上げてくれたフィルムカメラと、『ゆるキャン△』の存在感_3
ある果実園で買ったブドウ篭。アウトレット品なので美味しいのに安い

最終日の今日は、夜までに第二の自宅がある山梨県・山中湖村まで戻る予定だった。
勝沼町から山中湖村までは、車で約1時間。
実はすでに、帰ろうと思えばすぐに帰れる距離まで戻っているわけなのだが、朝早くから行動を開始しているので、まだまだたっぷり時間があった。
それに天候がすぐれなかった5日間を経ての今日の快晴なので、何もしないでただ家に戻るのはもったいない。

そう思った僕は、甲府盆地の東端にあたる現在地から、昨日ひた走ってきた国道20号線を逆戻りし、盆地西端に位置する南アルプス市まで行ってみることにした。

車中泊の旅を盛り上げてくれたフィルムカメラと、『ゆるキャン△』の存在感_4
立ち寄った甲斐国一宮浅間神社、手水舎の龍(MAMIYA C33で撮影)

それにしても日本全国で唯一、市名にカタカナが入る“南アルプス市”とは不思議なところだ。
そもそも市内に連なる山々を指す“南アルプス”は、ヨーロッパ中央部を東西に走るアルプス山脈にちなんで明治時代につけられたニックネームで、正式名称は赤石山脈というのだ。

だから2002年に一般公募によって決定したというこの市名には色々とツッコミどころがあるのだが、まあそんなことをつらつらと考えていたら、僕の車はいつの間にか南アルプスの山道に突入していた。

車中泊の旅を盛り上げてくれたフィルムカメラと、『ゆるキャン△』の存在感_5
南アルプスの山を目指して

そのままかなりきつい山道をあてずっぽうに走っていくと、やがて伊奈ヶ湖という小さな湖に到着した。
東京・世田谷区と山梨県・山中湖村で2拠点生活を送るデュアラーで、住民票はないにせよ半分は山梨県民のような僕だが、地元にこんな素敵な場所があるとは全然知らなかった。