昔からあるお店を後世にも残したい

「食えなくなってもしらねえよ~!」高崎市の絶滅寸前グルメの存続をうったえる「絶メシリスト」の攻防戦_1
「絶やすな!」という一言からはひとつでも絶品グルメを後世に残そうとする強い意志を感じる
すべての画像を見る

「食えなくなっても知らねえよ~!」

暗に「食べてほしい」と訴えかけるような謳い文句が目に入る、そのグルメサイトの名前は「絶メシリスト」

同サイトには、後継者不足に悩み、地元に愛されている絶やしたくない群馬県高崎市の絶品グルメ、通称「絶メシ」を出す飲食店がジャンルを問わず掲載されている。軽快な文章と美麗な写真で紹介される、名物店主が作り出すリーズナブルな価格の旨いメシは、見る人の食欲をかき立ててやまない。

実はテレビ東京系列で2020年1月から放送されたドラマ「絶メシロード」は本サイトがモデル。俳優・濱津隆之が車中泊をしながら、日本全国にある絶滅間近の絶品グルメ「絶メシ」を追いかけて食べに行く様が話題になり、今年8月からはドラマのseason2が放送されていた。

紹介中のお店は現在進行形で後継者問題をかかえている、絶メシという名称通り、早く食べに行かなければ本当になくなってしまう……そんな切羽詰まったスリリングさも絶メシの魅力である。

「絶メシリスト」は「高崎ブランド・シティプロモーション戦略」のもと、高崎市のブランドイメージを向上させる一環として施策されたもの。その過程で広告代理店・博報堂に委託してサイト開設に至ったとのことだ。

「食えなくなってもしらねえよ~!」高崎市の絶滅寸前グルメの存続をうったえる「絶メシリスト」の攻防戦_2
高崎駅周辺の様子、写真左側にある白い建物が「高崎OPA」だ

ではここからは、高崎市総務部企画調整課の担当者に話を伺っていこう。

「近年、高崎駅周辺では再開発が進み、2017年にはイオンモール系列のファッションビル・高崎OPAがオープンするなど賑わいを見せております。ただ高崎の魅力をどうPRしていくかを考えた際に、昔から営業しているものの後継者問題をかかえているお店がたくさんあることに気づいたんです。

お店のなかには古くから地元住民に愛されているところもあったので、『絶やしてはいけない』と危機感を抱き、サイト開設に踏み切りました」