カタールの放送局アルジャジーラが報道

最新情報としては、オーストラリア代表チームが公式にカタールの人権状況を批判する声明を10月27日に発表したというニュースは、同国Sky Newsなどを皮切りに世界で大きく報じられた。

さらにもうひとつ面白いのは、今回の開催国カタールの放送局アルジャジーラが、この問題で国際的な批判が高まっていることについて、上記各国の批判的行動をニュースで紹介しているという事実だ。

自国開催の巨大スポーツイベントが人権等の見地から大きな批判を受けていることを、包み隠さずにレポートするのは、報道として当然のことだ。

だが、これがもしも他の中東諸国で発生した問題で、放送局がアルジャジーラではなく、たとえばアラブ首長国連邦やサウジアラビアの放送局なら、自国に対する批判をこのように正面切って紹介するようなことはおそらくしていないだろう。

ちなみに、フランス各都市が抗議の意思表示としてファンゾーン設置を中止するという上記のAFP通信記事はかなりのボリュームだが、同様の内容を紹介する共同通信記事は数行程度のじつにあっさりした内容だ。つまり、カタールの人権問題は、日本ではこの程度の報道価値にすぎないと判断されているのだろう。

と、ここまで紹介してきた各種の情報は、その気になって少しWebサイトを検索すれば簡単にわかることだ。しかし、日本ではこれらの情報が流通しない状況もさることながら、日本のサッカー界自体がこの問題をどのように捉えているのか、ということが判然としない。

日本のサッカー界、あるいは代表チームや個々の選手たちに、この問題に関してなんらかのアクションを起こす意思ははたしてあるのだろうか。

そこで、この疑問を日本サッカー協会に直接投げかけてみた。

取材を申し込む際に、近日中で先方の都合がよい日時に30分程度の直接の対面取材を希望している旨を伝え、対面取材が難しい場合にはZoomなどのリモート取材をお願いできればありがたい、もしくは書面による回答をいただきたくお願いしたい、と依頼状を送付した。