マスターズにゴルバカ大興奮! 松山英樹やタイガー・ウッズは残念ながら、オーガスタの女神が用意した派手なドラマ_b
交通事故から復帰し、マスターズに出場したタイガー・ウッズ

今回、1年5カ月ぶりにツアー復帰したタイガー・ウッズもまた、マスターズらしさに魅せられているプレーヤーのひとりだ。右足首にボルトやプレートを入れたまま、曲げることも困難な状況であえて出場した。開幕前の会見で「優勝できるか?」と聞かれて「I do」(できる)と答えた姿は、ゴルバカたちに深い感銘を与えた。

「やっぱりタイガーでしょ!」とゴルバカたちは、もしかするとジャック・ニクラウスの46歳2カ月での最年長優勝記録を更新(ウッズは46歳3カ月)し、6度の最多優勝記録に並ぶのでは……と夢想もした。

ウッズはしっかり予選を通過したが、最終的には13オーバー47位で大会を終えた。初日は比較的軽い足取りで歩いていたタイガーだったが、最終日には足を引きずるような痛々しい仕草をたびたび見せていた。

限界が近かったのだろう。それでも途中棄権という選択肢を取らず、最後までプレーすることをウッズに決断させる「何か」が、マスターズには、オーガスタには確実にあるのだ。

ホールアウト後の会見でウッズは「ここまで来られたのはみなさんの支えのおかげで、感謝しかない」と述べた。ゴルバカとしては、こちらこそ感謝しかない。

もう来年のマスターズが待ち遠しい!

松山英樹の惜しいパットの連発や優勝したシェフラーの4パットなど、あまりポジティブとはいえないマスターズらしさを紹介したが、実は今回のマスターズで最もポジティブで、ゴルバカの胸を踊らせたのは、最終日の18番グリーンサイドのバンカーで繰り広げられた「ドラマ」だ。

マキロイとコリン・モリカワ(アメリカ)のパーティーはそろって好調なゴルフを見せていた。ふたりともマスターズには勝っていないが、複数のメジャータイトルを持つ実力者なのだから、当然といえば当然だ。ただ18番はふたりとも第2打をグリーンサイドのバンカーに入れてしまった。

マキロイはバンカーからピンのはるか右に打ち出したボールが、グリーンの傾斜で転がってカップイン。バンカー内で飛び跳ねる大喜びのバーディ!

そして次に打ったモリカワのボールは真っ直ぐにピンに向かい、こちらもカップイン! 同じバンカーからまったく異なるルートでチップインバーディを立て続けに見せてくれたのだ。まさに神がかり。パトロンたちも沸きに沸いたのは言うまでもない。

オーガスタの女神は、こういう派手なシーンも用意してくれるのだ。だからゴルバカにはたまらない。あぁ、今から来年のマスターズウィークが待ち遠しくて仕方がない。

マスターズにゴルバカ大興奮! 松山英樹やタイガー・ウッズは残念ながら、オーガスタの女神が用意した派手なドラマ_c
練習ラウンドを見るためだけにオーガスタを訪れたカラサワ氏の記念ショット

柄澤正寛(カラサワ・マサヒロ)
“ゴルフ好き”の元CMプロデューサー。柄澤ゴルフクラブ代表。ゴルフ好きが高じて50歳で一念発起、CM制作会社を退職しゴルフ工房を立ち上げた。クラブフィッティングやクラフト作業のかたわらトーナメントの現場仕事、クラブ・パーツメーカーの動画制作などゴルフと名の付く仕事はよろず承るさすらいのゴルフ人。HCは7.2(これも元!)。マスターズに魅せられ、練習ラウンドを見るためだけにオーガスタに赴いた、筋金入りのゴルバカ。