脱ぐ覚悟はできている
――絵のモデルとして全裸になるシーンがありますが、“撮影前に覚悟はできていた”と言っていた通り、見事な脱ぎっぷりでした。
まだ出来上がった作品を見ていないので、自分ではなんとも言えないのですが、見てくださった方から「綺麗だった」と言っていただいたので、ほっとしている部分はあります。それに自分の裸は、毎日お風呂上がりに鏡で見飽きるほど、見ていますから(笑)。映画を観てくださる方が、どんな感想を持たれるのかが気になります。
――ベッドシーンで特に気をつけたことは?
とにかくすべてがはじめてのことだったので、1シーン、1シーン、全力で取り込んでいるうちに、全部の撮影が終わっていたという感じで。いろんな方に同じ質問をされるんですけど、ベッドシーンだから特別何かを考えたとか、何か準備したという記憶はないんですよね。
――本当に?
本当です! 綺麗に撮れていたら嬉しいなぁとは思いますけど、勢いとか本能の赴くままに、何も考えずに撮影に臨んでいました。
――あとは見る人が判断してくれと?
というより、みなさん、どんな顔で見るのかの方が気になります。食い入るように見るのか、思わず目を逸らしてしまうのか、見ていないふりをしながらしっかりと見るのか、それを確かめてみたいです。
――周りの人の反応は?
以前アイドルグループに所属していて、その頃から応援し続けてくださるみなさんからは、“きよちゃん”と呼ばれているんですけど、中には「そんなきよちゃん見たくない」という人もいて(苦笑)。友達も両親も最初驚いていましたけど、「見たい」と言ってくれています。
――この作品を撮り終えて、新しく見えてきたことはありますか?
中学3年生の時に役者という職業に憧れて、でも自分には無理だ、とセンスがないと勝手に決めつけて、そこから逃げてずいぶん遠回りしましたけど、今ようやく、そのスタートラインに立てたので、今度は逃げずに必死に食らいついていきたいと思っています。
――挑戦してみたい役は?
まずはこの映画『月下香』の続編ですね。私が演じた亜美さん、旦那さん、若き画家の3人の関係がその後どうなっていくのか。私自身も気になるし、きっと見てくださった方もあれこれ想像しちゃうと思うんです。それを続編で描けたら、絶対に面白い作品になると思います。
――他には?
いずれは非現実的な世界観の作品にも挑戦してみたいと思っていますが、今はリアルなストーリーを紡いだ作品に出てみたいという気持ちが強いです。
――準備はできている?
はい! 脱ぐ覚悟はいつでもできています(笑)。
取材・文/工藤晋 撮影/石田壮一 場面写真/©2022映画『月下香』製作委員会
『月下香』(2022)
監督:淵澤由樹
出演:清瀬汐希 松井健太 木村祐一ほか 配給:テンダープロ
2022年10月28日(金)よりシネ・リーブル池袋にてロードショー
https://gekkako.net/