一日2000球以上を打つ「努力の天才」

筆者が弥勒に会ったのは、茨城県常陸大宮市にある「ゴルフ5カントリーサニーフィールド」の広大なドライビングレンジ。小さな体を目一杯に使いながらも、とてもスムーズなスイングで球を打っている。傍らにはおそろいのウェアを着たみゆきさんもいる。

通常の打席ではなく、芝の上からショートアイアンで放たれたボールは、乾いた音を立てて測ったように同じところに飛び出し、同じところに落ちていく。

「本当に時間が足りない」11歳の天才ゴルファー須藤弥勒の正体は「努力の天才」だった_3

フェアウェイウッドに持ち替えても、その規則正しさは変わらない。当たり前だが、ものすごく上手だ。

「本当は打ってはいけないところで特別に打たせてもらっているので、芝を傷つけないように注意してます」という弥勒が数十球打った跡は、ほんの少し芝が取られていただけで、アベレージゴルファーが1球ちょっとダフった跡よりもはるかに小さい。さすがは世界のジュニア4大メジャーを獲ったグランドスラマーである。

クラブをウェッジに持ち替えると、今度は50ヤードの表示の周りにボールが集中する。正確だ。インパクトの音がほとんど変わらない。

「得意なクラブはパター。苦手なクラブは……ないです。というか(苦手を)つくらないようにしてます」

そう話す弥勒は普段、一日に2000球以上を打つという。

やはり天才少女は、努力の天才なのだ。

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野球のバットやテニスラケットを使ってボールを打ち込む
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