日本一過酷な山岳レースの全容
2002年、大会の創始者である岩瀬幹生氏が、普通の勤め人でも休暇の合間に参加してクリアできる、全8日間で完走可能なコースのレースを考案した。
ただ、そのコースが凄まじい。スタートは富山県・魚津市の遊園地・ミラージュランド横の何という事もない、岸辺。
そこから剱岳・立山・薬師岳・槍ヶ岳・宝剣岳・檜尾岳・空木岳・仙丈ヶ岳・塩見岳・荒川前岳・赤石岳・聖岳といった3000m級の峰峰をつなぐ稜線を駆け抜けて、最後は静岡市・畑薙ダムから大浜海岸まで85kmのロードをひた走る。累積標高差は27000mだ。
そう、日本アルプスの稜線を駆け抜ける“日本一過酷な”山岳レースなのだ。
コースだけでも度肝を抜くが、さらに出場選手たちには様々な制約が課せられる。まず、山小屋での宿泊や食事は禁止。キャンプ場で簡易テントを張る露営となる。
そして他のトレランレースなどでよく見られるエイドステーションは、なし。
コース途中には4か所の関門が設けられ、選手たちは時間内に通過しないと、即足切りで失格。
一方で、全長415kmのコースには通過を義務づけられる30のチェックポイントがあるが、後は何処を通るのも自由。よって、道路が遠回りなら、川の中を突っ切ったり、山ヒルによる襲撃覚悟で草藪の中をかき分けて進むのも自由だ。