緊急生放送となったあの日

加藤 古市さんって芸能界や政界などすごく顔が広いので、番組の外ではよく「あの件ってどうなっているんですか?」って聞くんです。あの人はこういう感じとか、こういうやり取りをしたとか、独自の話を聞けるのはすごく貴重でした。

古市 そこでしゃべっておかないと本番中にしゃべっちゃうから。生放送だと取り返しがつかないじゃないですか。

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加藤 「絶対にそれ言わないでくださいね」っていうことの毒抜きみたいな?

古市 そう、毒抜き。先に全部しゃべっておくと、本番中はちゃんとマイルドに話せるんです。けれど、本番前に加藤さんにしゃべりすぎちゃうと、本番中は「もうこの件に関して語ることはないんだよな」とか思うこともありました。

加藤さんは、『イット!』で思い出深い回とかあったんですか?

加藤 やっぱり突発的に起こる事故や事件のときですね。それこそ、安倍さん(安倍晋三元首相)のニュースが入ったときは急遽6時間くらい放送があったじゃないですか。

古市 あの日は、生放送中に、事態がどんどん進んでいきました。確定情報が少ない中で、とにかく時間を繋がなくちゃいけない、でも絶対に間違ったことは言えない。大変な緊張感と重圧ですよね。

加藤 専門家の方にスタジオ入ってもらって、「とりあえず繋いでください!」みたいな状況でした。繋いだあとに何をやるかも決まらず、とにかく今ある情報から考えられることを専門家の方に質問をして…。

古市 文字通り、生放送中って何が起こるかわからないですもんね。事件も起こるし、地震などの天災に見舞われることもある。しかもそういう緊急時って、今でも真っ先にテレビをつける人が多いじゃないですか。その意味で、毎日生放送に関わっている人というのは、本当にすごいと思います。

加藤 生放送は、アナウンサーとしての勉強になることがすごく多い現場でした。

古市 それにしても加藤さんって貴重なアナウンサーなんじゃないですか? いわゆる「人気女子アナ」とくくられるような人って、事件が起こると報道のアナウンサーに代わられることもありますよね。加藤さんみたいに人気もあって、報道番組でも臨機応変に対応できる人って意外といない気がします。

加藤 そこはバラエティーで鍛えてもらったのかもしれませんね(笑)。でも、『イット!』が始まったばかりの頃は報道の場に慣れず、すごく苦しいときもあって。場数を踏むことで勉強させてもらえるいい現場だったなと思います。

古市 小手先じゃないし、誰も不快にさせない。ニュースを理解して、噛み砕いて伝えるアナウンサーとしての技術もありながら、おじさんも転がせるっていう(笑)。

すごい稀有な才能だと思います。実は自分の意見もちゃんとあるし、うまくバランスを取りながら仕事をしているのが、売れっ子の理由だと思います。

加藤 そんなことを言ってもらえてうれしい! ありがとうございます。