俳優としてステップアップ、その先に目指すものは?
――出来上がった作品を観て、一番好きだったシーンを教えてください。
松坂さんがチェロを弾いているところに人が集まってきて、演奏が始まる場面です。あのシーンを観たときは感動しました。音楽のメッセージ性を感じましたし、音楽の力ってすごいな、誰にでも伝わるんだな、と。
僕の出演シーンで観てもらいたいのは、やはり雫と初めて会話するシーンですかね。中学生ならではの恥ずかしさや恋をしている姿は、青春っぽさを感じてもらうためにこだわった部分なのでぜひ観てほしいです。
――少し話が変わりますが、先日は『鎌倉殿の13人』(NHK)にも北条政範として出演されました。中川さんにとっては2度目の大河ドラマですね。
学校で友達や先生に「出てたでしょ」って言ってもらいました。想像以上に反響をいただいていて、凛々しさを褒めてもらえて嬉しかったです。前回、大河に出たのは小学生のときだったので、久しぶりの時代劇でした。大河の現場は独特の緊張感がありますし、今回演じた北条政範は、さらにリーダーシップを取る役だったので、こういう役をやらせていただけるようになって、少しは成長したのかなと思いました。
出演者の方々も大先輩ばかりで、プレッシャーも大きかったですが、今までテレビで観ていた人たちの中に自分が入っているのがうれしかったです。
――話題作への出演が続いていますが、最後に、今後の目標を教えてください。
いつかはアカデミー賞を獲りたいです。いいお芝居をしたと世間から認められるひとつの称号だと思うので、俳優をやっていくと決めたときから変わらず目標にしています。
取材・文/あまのさき
写真/梁瀬玉実