憧れの先輩との共演シーンに緊張…!

――中川さんが“学校の王子様”と捉えていた天沢聖司は、誰もが認めるカッコいい人ですが、中川さんにとってカッコいい人とはどんな人でしょう?

なんでもこなしちゃう人ですね。それこそ今回共演させていただいた松坂桃李さんのチェロの演奏シーンは圧巻でした。僕も同じタイミングで練習を始めたんですけど、全く敵わない。「なんでもすぐにできちゃうんだな、カッコいいな」と思いました。きっと陰ですごく努力をされていたんだと思うのですが、それを見せない謙虚さや優しさも素敵だな、と。

「聖司くんは王子様のような人」映画『耳をすませば』天沢聖司役・中川翼インタビュー 憧れの松坂桃李とのエピソードも_3

――撮影中、松坂さんとはお話されましたか?

唯一の共演シーンである、松坂さんと清野(菜名)さん、安原(琉那)さんと4人でセッションするシーンの撮影のときに、少しお話できました。事務所の先輩でもある松坂さんは、以前から憧れの俳優さんだったので、隣でチェロを上手に弾いているのを見てド緊張していたんです。平川(雄一朗)監督に「もうちょっと動きをつけてやっていいよ」と言われたんですけど、全然手が動かないくらい(笑)。その撮影の合間に、松坂さんが気さくに話しかけてくださって。そういうところにも優しさがあふれているな、と改めて尊敬しました。

――今回、そんな憧れの松坂さんと同じ人物を演じたわけですが、平川監督とはどういった話し合いをされましたか?

監督とは何度かご一緒しているので、安心感がありました。役に関しては、「天沢聖司だったらこうすると思う」「松坂桃李だったらこんな言い方しない」などの指導をいただきました。とは言っても、松坂さんに寄せるわけではなく、天沢聖司という王子様でキラキラした雰囲気に、松坂さんの要素を足して、理想の天沢聖司像を作っていったイメージです。カメラマンさんに「今、松坂桃李に見えたよ」と言われたシーンもあり嬉しかったですね。

――それはどんなシーンですか?

チェロを弾いているシーンの目線の動きです。松坂さんが下からクイって目線を上げるのがかっこよくて印象的だったので、自分の演奏シーンでも真似してみました。

「聖司くんは王子様のような人」映画『耳をすませば』天沢聖司役・中川翼インタビュー 憧れの松坂桃李とのエピソードも_4