足元から「文化」の礎に
一方、川島さんは「奥深いようで、奥深くないところもある」と率直に明かす。ある意味でアメリカらしい、力の抜けたところもあるのだ。
たとえば、サイズ感。アメリカのブランドがベトナムや韓国で生産するプロダクトであり、同じサイズ表記でも大きさにバラつきがあることも。この部分に関しては、「できるだけ試着をして確かめてほしい」そうだ。
品薄が続き、ショップで見かけない時期が長く続くこともあれば、どうやら大量に日本に入荷されることもあるようで、タイミングによっては公式オンラインストアにさまざまなサイズの在庫が復活することもある。ちなみに今は後者の時期で、比較的、入手しやすいタイミングになっている。
スタンダードなトングサンダルである「OOriginal」から始まったラインナップは、トングなしのバックル型の「OOahh」や、足先を包むキャップのある「OOcloog」 、シューズ型の新作「OOcandOO」など、今はさまざまに展開されている。
各シリーズには「ランの後」「バイクレースの後」「ヨガの後」など使用シチュエーションが想定されており、リカバリーサンダルたる所以を覗かせている。ただし、「必ずしも運動をしている必要はない」と川島さんは言う。
「現代人であれば、どんな生活でも、心と体を酷使しています。そんなとき、足元の安らぎが、少しでも負担を軽くできたら。実際に使ってみると、肉体だけでなく、精神的な面での効果も実感していただけると思います」
そのため、最近ではライフスタイルの変化により、自宅での生活を快適にするためのルームウエアとして使う人も増えているそうだ。
リカバリーシューズがブームや「靴」という枠を超え、「『下肢から心地よい日々を過ごす』という文化の礎になってほしい」と川島さん。広がりを見せたことで、今後、日本社会の中でどのように受け入れられていくのか、引き続き要注目のプロダクトだ。
文/あまのなお 写真/山田秀隆