家出の噂が広まると悪い大人が覚醒剤を持って来て…
少年院は主に中学~高校くらいの年齢の子供たちが、様々な非行によって収容される施設だ。令和2年度「警察白書」(少年院入院者の非行時の薬物等使用者人員等の推移)に掲載された統計をご覧いただきたい。
大麻の使用は男性が目立つが、覚醒剤の使用に関しては女性が圧倒的に多いことがわかるだろう。これは使用目的による違いが大きい。大麻はダウナー系といって、酒に酔ったように脱力感の中で幻覚作用を感じるものだ。横になって夢見心地でいるようなものと言える。
他方、覚醒剤はアッパー系といって神経が研ぎ澄まされて興奮状態になる作用がある。たとえば目をギラギラさせ、何日も睡眠も食事もとらずに一心不乱に石を磨き続けるなんてことができてしまう。
常用者の多くは、覚醒剤の効用を性行為に利用する。覚醒剤を使って性行為をした場合、通常の何倍もの快楽を得られるどころか、何時間も、使い方によっては何日間も行為をし続けることが可能になる。まるで壊れたロボットのようにひたすら性行為にふけるのだ。
少年院で出会った15歳の少女は次のように語っていた。
「家が親ガチャな感じで、家出をするじゃないですか。その噂が広がった途端、地元の悪い大人たちが何人もクスリを持ってやってくるんですよ。誰が先に打つかで勝ち負けが決まる。打たれて(性行為を)やられれば、女の子はその快楽から抜け出せなくなって、もうサルみたいにやりまくるだけ。海で溺れている人が息を吸うことしか考えられなくなるみたいに、もうそれ(性行為)しか考えられなくなっちゃうんです。自分がおかしくなっていることもわからないんです」
男性が覚醒剤をやれば、同時に性行為をしたいと考える。それには、家出少女など頼る先のない少女を巻き込むのが手っ取り早い。それで少女に「ビタミン剤」などと嘘をついて使用させ、地獄へと引きずり込むのだ。