渋野日向子が火付け役。活況のゴルフアパレル業界に参入するユナイテッドアローズの戦略は?_1
2019年、「AIG全英女子オープン」を勝った渋野日向子が着ていたビームス ゴルフのマルチロゴポロシャツは即完売 写真/Getty Images

右肩上がりのゴルフアパレル業界

観戦するのもプレーするのも、ゴルフブームの拡大が止まらない。

特に女子ゴルフ界は、空前のブームに沸いている。ここ数年、国内女子ツアーは渋野日向子、勝みなみ、小祝さくら、原英梨花ら黄金世代(1998年度生まれ)による席巻に始まり、次の世代の稲見萌寧が勝ちまくり、東京五輪銀メダリストにもなった。さらに古江彩佳、西村優菜、吉田優利らプラチナ世代(2000年度生まれ)も大健闘し、西郷真央、山下美夢有の新世紀世代が最新ランキングのトップを争う……。そして17歳の高校2年生、馬場咲希が全米女子アマに優勝。

2019年8月、渋野が「AIG全英女子オープン」でメジャーチャンピオンとなったことで、当時すでに盛り上がりを見せていたゴルフの流行に拍車がかかった。このとき、大会最終日に渋野が着ていたビームス ゴルフのマルチロゴポロシャツは即完売。初日から3日目まで着ていたウェアも飛ぶように売れたという。生粋のゴルフブランド以外の一般ファッションブランドのゴルフウェアが注目されたきっかけにもなった。

2020年初めから新型コロナウィルスが大流行。日本ではいまだ収束の様子は見えないが、「3密」を避けられるということで、見るだけではなく、自らプレーするゴルフブーム拡大には追い風となった。特に、若い世代がゴルフ場に出向き始めている。

そんな状況の中、ゴルフアパレル業界は現在右肩上がりに推移している。矢野経済研究所によると、2021年のスポーツアパレル全体の市場規模は出荷金額ベースで5350億円。前年比9.7%増。うちゴルフアパレルは910億円で前年比14.6%増、占有17.0%となり、トレーニングウェア(23.9%)、アウトドアウェア(22.1%)に次いで、12カテゴリー中で3番目の占有率となっている。