神経刺激が多いゆえに疲れやすいHSP

そもそも、HSPが働きづらさを感じやすい要因には、ほかの人は気に留めないようなささいなことにも気づける繊細さや、感受性が豊かであるゆえに、深く考えたり疲弊しがちだったりする点が考えられる。

「HSPの中には、仕事でも相手の顔色を細かく読み取ったり、誰かの発言やメールの文面の裏側まで考えてしまったりすることが日常的、という人も多いのではないでしょうか。

たとえば、上司から『この仕事をやっておいて』と頼まれただけでも、『昨日の会議ではああ言っていたし、この前はこう言っていた。さっきの上司の表情と声のトーンだと、きっとこうしたほうがいいんだろうな…』と、頭の中であれこれ組み合わせて細かく分析するのがHSP。ちょっとした場面から受け取る情報量や刺激が、とても多いんです。

HSPを提唱したアメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士は、HSPの唯一の弱点に『刺激を過剰に受けてしまうこと(Overstimulation)』があると述べています。実際に、HSPで働きづらさを抱える人に話を聞くと、神経刺激がご本人の限界を超えてしまっているケースがとても多いと感じます。HSPでない人と比べると、『刺激過多』になりやすい特性であることは確かです」

繊細すぎるHSPを悩ます、自律神経のサバイバル(凍りつき)反応とは?_2
能力があるのに働きづらさに悩むHSPにも多く出会ってきた(画像/株式会社サステナミー提供)