初級
【答え】ごんのかみ
「権(ごん)」は、朝廷の定員を超えて任命する官職「権官」のことで、「守(かみ)」は国司の最高位のこと。要するに、とても偉い人が名乗った名字で、神奈川県では「ごんのかみ」、山梨では「ごんもり」と読む人が多いですね。
【答え】ういろう
私が確認した限りでは、神奈川県小田原市の1軒だけの珍しい名字。14世紀、元(中国)から博多に来た陳延祐(ちんえんゆう)が、元の王朝で務めていた礼部員外郎という役職から「外郎(ういろう)」と名乗ったのが始まり。1504年に北条早雲に招かれて小田原に移り住み、「透頂香(とうちんこう)」という薬を製造。「ういろう」という菓子も、外郎氏が発案したもので、小田原銘菓となっています。
中級
【答え】はいじま
東京都の地名「拝島」が由来ではないか考えられます。「朏」という文字には「みかづき」の意味があり、もしかすると、拝島の地で三日月を拝んだことから「拝島」に「朏」の時を当てたのかもしれません。ちなみに「朏(みかづき)」さんも全国に何軒かいらっしゃいます。
上級
【答え】ちょっき
一寸とは約3センチメートルと、チョットした長さのことなので、一寸の木と書いて「ちょっき」と読ませます。他にも「いっすんぎ」「ますき」「ちょっとぎ」など様々な読み方の「一寸木」さんがます。「ちょっき」さんは、全国でも小田原市に3軒だけある珍しい名字です。
【答え】ほやの
全国でも平塚市に6軒ある「梅干野」さんの由来は、東京都にある「保谷(ほうや)」という地名ではないかと考えられます。八王子市に「保谷野(ほやの)」さんが3軒ほどいらっしゃって、こちらの一族は、保谷地区から移り住んで、故郷の地名から「保谷野」を名乗ったと考えられます。「梅干野」さんも同じ一族と考えられ、なぜ梅干にしたのかお尋ねしたいと思っているのですが、コロナ禍で延期になっているのが残念です。
取材・文/工藤菊香