自分の考えや行動を紙に書き出す

――不利な状況に直面したとき、自らの状況を俯瞰するのは難しいと思います。実践のコツはありますか。

心理学上の具体策として「自分の考えや行動、発言を紙に書き出す」という方法があります。箇条書きでも、文章でも思いつくまま、書きやすい方法でいいのです。何度書き直してもかまいません。

「①できごと」「②自分の反応、つまり気持ちや感情、イメージ、行動など」「③結果」に分けて書いてみてください。

そして、声を出して読んでみましょう。いつも陥る悪循環や、つい取ってしまう行動、考え方のくせに気づくことがあるかもしれません。

できれば書き出したことを、よく話を聞いてくれて、批判せず、安全だと感じる第三者に見てもらい、助言をもらうといいでしょう。そういう人が見つからない場合は、カウンセラーなど心理学の専門家を探せることが理想です。

意識的に自分を俯瞰する、モニターすることをくり返すと、やがて自分の状況を客観視するスキルが身についていきます。

また、周囲のがんばっている人、情熱を持って何かに取り組んでいる人に注目してみましょう。その人の何が魅力的なのか、その人のもとにはなぜ人が集まるのか、どのような人たちに助けや賛同を得ているのかなどが見えてきて、参考になります。
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アンダードッグ効果は、一見不利に見えても自分の行動次第では有利に転じる場合もある、形勢がどうであっても努力と奮闘で、応援が得られる場合もあるということです。そのプロセスに正義があるか、結果的に誰かが感動を覚えてくれるか。形勢不利な場面でのヒントになるのではないでしょうか。


構成・文 藤原 椋/ユンブル