効率化やアイデア出しの秘訣

––あそこに置いてあるのは、おもちゃでしょうか?

最近、子どもの頃に好きだったおもちゃを買い直すのが個人的なブームで。たとえば、金色のものは「ゴールドライタン」といって、僕が子どもの頃大人気だったアニメのキャラクターの立体化なんです。2回くらい復刻されているのですが、僕が持っているのは80年代当時のオリジナル。

「もうデジタルは飽きました」 ガジェットマニア・ハイロックがアナログ回帰する理由_7
「ゴールドライタン」の超合金5体のほか、往年のプロレス選手のフィギュアや「ペプシマン」のチャームなど、ハイロックさんが昨今収集しているおもちゃ類

––手足をたたむと本当にライターの形になるんですね!

こういうギミックが好きなんですよね。やっぱり、自分の子どもの頃夢中になったものに、人生の判断基準やアイデアのヒントが隠れていると思うんです。

当時好きだったものって、建前などは関係なく、心から好きなもの。大人になってから、子どもの頃に好きだったおもちゃを手にしたり、映画やアニメを見返したりすると、自分はどうしてこれが好きなのか、何に惹かれていたのかが分析できるんです。ルーツを辿るというか。デザインの仕事には、まさにこれが活きるんですよね。クライアントに提案をするときのアイデアのヒントにもなります。

––一見仕事に関係ないおもちゃも、仕事環境の一部なんですね。

そうなんです。僕は自宅にほとんどモノを置いていないんですけど、仕事場にはあえておもちゃや雑貨などたくさん置いています。アイデアを生み出すために。

––アウトプットを最大に引き出せる空間を作っている、と。

はい。スタッフが働くスペースも、それを考えて設計しています。たとえば、常に時間を意識してほしいので至るところに時計を置いていますし、同時にリラックスもしてほしいのでテトラポッド型のアロマストーン、それと一輪挿しをデスクに置いています。スタッフが使うデスクもオリジナルでデザインしたんです。

あとは、デスクライトとAppleの純正モニターが基本のセット。今は4Kディスプレイもだいぶ値段が下がって、ハイスペックな製品が安く購入できるんですけど、やっぱりApple製品に比べると質感が物足りないんですよね。目に入る風景に1%でも残念なものが交じると、デザイナーにとっては結構なノイズになってしまう。だから、すべてAppleのモニターで揃えました。

「もうデジタルは飽きました」 ガジェットマニア・ハイロックがアナログ回帰する理由_8
スタッフのワークスペースは天井高6m。奥の壁に貼ってあるのは、ハイロックさんがNIGOさんと知り合うきっかけとなった30年前のイベント「LAST ORGY 2」のポスター

––電源タップやケーブルも、スタイリッシュにまとめてありますね。

これらもデザイン性を考えて選んでいます。仕事をしているときに何が目に入るか、というのは重要視しているんです。どこを見てもグリーンが目に入るように配置する、とか。仕事中にふと植物の緑が目に入ると気が楽になるんですよね。

今は自宅で仕事をする方も増えていると思うので、自分が普段どういう行動を取っているかで購入するモノを判断し、目に入ったときに気分が上がったり、心地よいと感じたりするアイテムを選ぶと、効率化やアウトプットの最大化につながるのではないかと思います。