思わぬ「NFT」の流行が追い風に。新しいアートの経済圏が生まれる日も近い?
実は、コロナ禍で思わぬ「追い風」が吹いた、と高原さんは言う。
「コロナ禍で在宅する時間が長くなったことで、おうち時間を豊かにする動きが活発化し、その文脈でアート購入が取り上げられるようになりました。
また、2021年にものすごく盛り上がったのが『NFT』。デジタルアート作品が次々と世に出るようになって、『アートってデジタルでも所有できるんだ』という認識が広がりました。ANDARTはまだNFTではありませんが、『NFTみたいにオンラインで所有・取引できるもの』として認知が拡大しています」
最後に、今後ANDARTやアート市場をどのように盛り上げていくのか語ってもらった。
「『アートを買うのは面白い!』ということを、もっと伝えていきたいですね。アートは富裕層の所有物でも、鑑賞するだけのものでもありません。アートを所有する体験から始めるすべてが、面白いものなんです。
先日は、同じアートを保有するオーナーたちがアートの売却などを議論できる『オーナー総会の開催』の受付を開始しました。株式を保有する方が集まる株主総会のように、さまざまな議論ができる場として機能したらいいなと考えています。今後はこれ以外にも、オーナーたちが共に楽しめるような仕組みを作っていく予定です。
ANDARTのようなアートの小口投資プラットフォームは、まだ世界に数えるほどしかありません。しかし約8.4兆円という世界のアート市場からすると、かなりの伸びしろがあると思います。
小口からアートを楽しむ人が増えていった先に、日本にも世界にもなかった新しいアートの経済圏を作っていけたら嬉しいですね」
撮影/山本春花
<INFORMATION>
『データでみる美術展 by ANDART』(会期延長中)
展示概要:アンディ・ウォーホル『Campbell's Soup I (Pepper Pot)』など、世界的に評価の高いアート作品と、オークションでの落札価格などのデータが共に展示されている、異色の美術展
会場:b8ta Tokyo Yurakucho エクスペリエンスルーム
東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル1F
会期:2022年8月15日まで延長予定
入場料:無料
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