「前向きなのは結構だが、社会を悪くする前向きさもあるんだよ」

悠日、鹿浜とともに事件を推理する、会計課の小鳥琉夏。柄本佑演じる小鳥は常識人ではあるが、少々変わり者で面倒な人物だ。悠日が唯一の友人で、自分の話を聞いてくれるのは彼しかいないと思っている。

彼が会計課に所属している理由や、悠日と友人になった経緯などには3話までの時点では触れられていない。まだまだ過去や人となりが明かされていないキャラクターである。

そんな小鳥の印象的なセリフに「前向きなのは結構だが、社会を悪くする前向きさもあるんだよ」がある。

実は密かに新人刑事の服部渚(佐久間由衣)に思いを寄せている小鳥。服部は事件解決のため誰よりも足を使った捜査をしているが、その手柄はことごとく先輩刑事に横取りされてしまう人物だ。

そんな現実に対し「職場の隅に追いやられ、軽んじられ、嘲笑されている人がいる。君は悔しくないのか?」と嘆く小鳥。悠日はいつもの調子で「僕たちが隅にいるから、真ん中に立てる人がいるんです」と慰めるが、小鳥は前述のセリフでもって噛みつくのだ。

彼は2話でも、悠日の「お疲れ様です」の呼びかけに「言われなくても疲れてるよ」と応えている。決まりきった定型文句にNOを突きつけるような姿勢には、ハッとさせられることが多い。

前向きであることが常に善ではなく、お疲れ様ですと投げかけることは必ずしも労いにはならない。流されるような日常の時間に、あえてストッパーをかけるようなキャラクターだ。