雲がモクモクしているのは空気が乱れているから

青い空のモクモクした白い雲――これは積雲(わた雲)という雲です。積雲がモクモクするのには、理由があります。
晴れた日に太陽光を受けた地面が温まると、地面に近い空で上に向う上昇気流と下に向う下降気流がとなり合うように並ぶ、熱対流という現象が発生します。これはアツアツのおみそ汁などでも見られ、細胞(英語でセル)のように見えるのでセル状対流ともいいます。熱対流の上昇気流(サーマル:熱気泡)で持ち上げられた地面付近の空気が、積雲をつくります。さらに、上昇気流が雲のなかを通って空気を乱すため、積雲はモクモクした姿になるのです。なお、上昇気流がとても弱い層雲や高層雲、巻層雲などはモクモクしません。 このように、「モクモクした雲のある空には上昇気流がある」と読み取れます。積雲は数分〜10分間程度の寿命なのですぐに消えてしまいますが、積雲のあった位置を眺めていると、次の積雲が生まれる瞬間に立ち会えるかもしれません。

積乱雲が発生しやすい曜日とは?  面白すぎる雲のはなし_1
©Kentaro Araki/KADOKAWA