オタク文化到来の前に
元祖チャーリーズ・エンジェルのファラ・フォーセット(当時はファラ・フォーセット・メジャーズ)が2月号と8月号、フォーセットの降板にともないシーズン2から参加したシェリル・ラッドが3月号、『地上最強の美女バイオミック・ジェミー』のリンゼイ・ワグナーが4月号、10月号の表紙を飾っており、海外TVドラマが依然として高い人気を誇っている。
「『チャーリーズ・エンジェル』特報」(1月号)「TV洋画シリーズ番組ウィーク・ダイアリー」(4月号)「人気 TVシリーズの主役25人最新情報」(5月号)「別冊TVスター名鑑’80」(12月号)とTVドラマファンに向けた企画も充実している。
この年のもうひとつの潮流はアニメブームだ。『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が前年の1978年、劇場版『銀河鉄道999』が1979年に公開された。いずれも人気TVアニメの映画化であることから「ロードショー」も特集を展開。『宇宙戦艦ヤマト』に関しては、「ヤマト新聞」を1月号から連載開始し、「『宇宙戦艦ヤマト2』アンコール!」(7月号)を掲載。その一方、7月号では「『銀河鉄道999』カラー・ポート」(7月号)「『銀河鉄道999』特報!」(8月号)を掲載。そして、9月号ではついに「2大アニメ大作特集 『宇宙戦艦ヤマト』&『銀河鉄道999』」と合体企画を実現している。
ちなみに筆者は当時7~8歳。小学生男子の大半がそうだったように、宇宙SFアニメにどっぷり漬かっていた。アニメはその後、この年TV放送が開始された『機動戦士ガンダム』でブームが頂点に達し、オタク世代を生み出す。が、「ロードショー」はそことは一線を引いたようで、1979年がいちばんアニメを取り上げた年となったのだ。